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地中海式ダイエットのエビデンス、日本人にそのまま当てはまる<img src="https://s.w.org/images/core/emoji/11.2.0/72x72/2753.png" alt="❓" class="wp-smiley" style="height: 1em; max-height: 1em;" />

地中海式ダイエットの根拠となっている研究とは

『地中海式ダイエットって痩せますか』

↑メンバーさんからこちらのご質問をいただいたので、

今回は地中海式ダイエットについてお話しします。

 

地中海式ダイエットは痩せるし体にいい—

そう聞いたことがあるかもしれません。

 

確かに地中海式ダイエットには

栄養学的に優れた点がたくさんあります。

 

ただし、

その根拠となっている研究には

あまり知られていない「前提」があります。

 

 

根拠となっているのはPREDIMED研究

地中海式ダイエットの効果を示す代表的な研究が

「PREDIMED研究」です。

(Prevención con Dieta Mediterránea)

 

スペインで行われた大規模な研究で、

7,447人を対象に実施されました。

 

被験者は3つのグループに分けられました。

で、この研究では

以下のような改善が報告されています。

インスリン感受性と血圧は

肥満に関わる重要な要素のため、

これらが改善することは肥満防止につながります。

 

また酸化ストレスの改善は

アンチエイジング効果も期待できます。

 

酸化ストレスが蓄積すると

シミやしわの原因になるためです。

 

知られざる4つの前提

前提① 被験者はもともと過体重〜肥満だった

PREDIMED研究の被験者の平均BMIは以下の通りでした。

BMI25以上が「過体重」、

BMI30以上が「肥満」に分類されます。

 

つまり被験者の平均BMIは

おおむね過体重と肥満の境界に位置しており、

約半数程度が肥満に該当していた

と考えられます。

 

前提② 健康な一般集団ではなく「高心血管リスク者」が対象だった

実はこの研究、

「健康な一般集団」を対象としたものではありません。

 

被験者の選定基準は以下の通り、

高い心血管リスクを持つ人々でした。

 

【年齢】

 

【選定条件】

心血管疾患は未発症だが、以下のいずれかに該当する方

 

実際の被験者の内訳は以下の通りです。

 

前提③ 2018年に一度撤回され、非無作為化研究として再出版されている

2018年6月13日この研究を掲載していたNEJM

(ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン)は、

2013年の論文を撤回しました。

 

撤回の理由は

無作為化の手順に問題があったためです。

 

具体的には以下の問題が明らかになりました。

著者らは

1,588人の被験者(適切な無作為化プロトコルから逸脱したことが判明または疑われる者)を除外して再解析を行い、

修正版が再出版されました。

 

ただし公平にお伝えすると、

再解析後も試験結果に

有意な変化はありませんでした。

 

オリジナル版・再出版版のどちらにおいても、

地中海食群の心血管疾患の発症率は

対照群と比較して約30%低下していた

と報告されています。

 

前提④ 日本人を対象とした研究ではない

この研究はスペインで行われたものであり、

日本人を対象としたものではありません。

 

食文化・遺伝的背景・生活習慣が異なるため、

そのまま日本人に当てはめられるかは

慎重に考える必要があります。

 

現時点で、日本人を対象に

地中海食を直接検証した大規模な介入研究は

見当たりません。

 

ただしこれは

「日本人には参考にならない」という意味ではありません。

 

実は日本人を対象とした

大規模な研究がすでに存在します。

 

この点については後半で詳しくお伝えします。

 

この研究の位置づけを正しく理解する

PREDIMED研究はあくまで

「高心血管リスク者における一次予防」

の有効性を示した研究です。

 

健康な標準体重の集団に対して

同様の効果が得られるかどうかは、

この研究だけからは結論できません。

 

この点はこういった研究の限界として

これまでもよく指摘されてきました。

 

それでも取り入れる価値がある部分

地中海式ダイエットを全否定するわけではありません。

 

以下のような要素は栄養学的に理にかなっています。

 

① 毎日魚介類を摂る

青魚に含まれるオメガ3脂肪酸は

抗炎症作用があり、

代謝サポートにも役立ちます。

 

② 野菜・果物を毎日摂る

ビタミン・ミネラル・食物繊維を

継続的に摂取できます。

 

特に食物繊維は

腸内環境の改善につながります。

 

③ 水を適量飲む

水分は代謝の土台です。

 

適切な水分補給は

代謝機能を正常に保つために欠かせません。

 

ただし注意点があります

エキストラバージンオリーブオイル、

チーズ、ナッツ類

これらは確かに良質な脂質です。

 

しかし良質であっても脂質は脂質です。

 

食べ過ぎることで以下のリスクが高まります。

「体に良い」というイメージから

量を気にせず摂取すると、、

 

PFCバランスが崩れて

耐糖能の低下・代謝低下に

つながる可能性があります。

 

実は日本人向けのエビデンスはすでにあります

前述の通り、日本人を対象に

地中海食を直接検証した大規模な介入研究は、

現時点では見当たりません。

 

しかし日本人を対象にした

和食(日本食)に関する大規模コホート研究は

すでに複数存在しています。

 

JPHC研究(日本人9万3,049人対象)

国立がん研究センターなどが実施した

多目的コホート研究(JPHC研究)では、

日本の食生活指針への遵守スコアと

死亡リスクの関連が15年間の追跡調査で検証されました。

 

その結果、遵守スコアが最も高い群では

最も低い群と比較して全死因の死亡率が低く、、

 

特に心血管疾患、

なかでも脳血管疾患による死亡率が

有意に低いことが報告されています。

 

JACC研究(日本人11万585人対象)

日本各地45地域から40〜79歳の

11万585人が参加した大規模コホート研究でも、

日本食スコアと全死因・心血管疾患・がん死亡リスク

これらの関連が検証されています。

 

大崎コホート研究

日本食インデックス(JDI)スコアが

最も高い四分位群では、

生存期間が最大10か月延長したと報告されています。

 

参考までに、

地中海食スコアの最上位群では

生存期間が14か月延長した

という先行研究があります。

 

地中海食と和食は実はよく似ている

地中海食の特徴は「魚や野菜が多いこと」です。

 

これは和食と非常に似ています。

 

つまり日本人は普段から無意識のうちに

地中海食に近い食事パターンを摂っている

とも言えます。

 

地中海食のエッセンスである

魚介類・野菜・果物を毎日摂るを取り入れたいのであれば、

わざわざオリーブオイル、チーズ、ナッツを増やさなくても、

 

和定食スタイルを整えるだけで

十分にその要素をカバーできます。

 

まとめ

地中海式ダイエットを否定するわけではありません。

 

大切なのは「その研究が誰を対象にしたのか」

を知った上で取り入れることです。

 

PREDIMED研究の被験者は、

もともと過体重〜肥満で

高い心血管リスクを持つスペインの高齢者でした。

 

日本人の健康な標準体重の方に

同じ効果が得られるかどうかは、

この研究だけからは結論できません。

 

一方で日本人には、日本人を対象とした

大規模なエビデンスがすでに存在します。

 

JPHC研究(9万3,049人対象)では、

日本の食生活指針への遵守スコアが高いほど

全死因の死亡率が低く、

特に脳血管疾患による死亡率が有意に低いことが

報告されています。

 

そもそも地中海食の特徴は

「魚と野菜が多いこと」であり、

これは和食と非常に似ています。

 

日本人は普段から、無意識のうちに

地中海食に近い食事パターンを摂っているとも言えます。

 

ご飯・魚・味噌汁・野菜・果物という和定食スタイルは、

自然とPFCバランスが整い、

オメガ3・食物繊維・発酵食品も同時に摂れる

優れた食事スタイルです。

 

わざわざオリーブオイルやチーズ、

ナッツを増やさなくても、

和定食を整えるだけで地中海食のエッセンスは

十分にカバーできます。

 

今後も新しいダイエット法が話題になったとき、

まずはその中身を知ることが大切です

 

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出典

※本記事は栄養学に基づいた一般的な情報提供です。個人差があります。症状が気になる方は必ず医師にご相談ください。